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📜 共通テスト古文文法

共通テスト対策レベル / 助動詞・識別・敬語の読み方 全25項目

助動詞
識別の重要ポイント
敬語の読み方
覚えた: 0 / 多分: 0 / 全0問

助動詞

る・らる
受身・尊敬・自発・可能
る→四段・ナ変・ラ変の未然形 / らる→それ以外の未然形
説明4つの意味を持つ最重要助動詞。特に「自発(自然と〜される)」と「可能」の識別が難しく、文脈判断が必須。
例文「ふと物音に目覚めらる。」(ふと物音で自然と目が覚める。)
イメージ「泣かる」「思はる」のように心情を表す動詞につけば、多くは自発(自然と涙が出る、自然と思われる)と判断できる。
暗記のコツ「じそんうか(自発・尊敬・受身・可能)」と頭文字で語呂合わせ。可能の意味では下に打消を伴うことが多い、という形も判断材料にする。
す・さす・しむ
使役・尊敬
す→四段・ナ変・ラ変の未然形 / さす→それ以外の未然形 / しむ→未然形(漢文訓読調)
説明使役(〜させる)と尊敬(〜なさる)の2つの意味。下に尊敬の補助動詞(たまふ等)が続くと「使役+尊敬」の二重敬語(最高敬意)になることが多い。
例文「帝、大臣に文を書かせたまふ。」(帝が大臣にお手紙をお書かせになる。)
イメージ「せたまふ」「させたまふ」の形を見たら、天皇クラスの最高身分の人物への敬意だと察知するイメージ。
暗記のコツ単独なら使役か尊敬かは文脈判断、「〜せたまふ」の形は二重敬語のサインとセットで覚えておく。
過去(自分が直接体験した過去)
動詞の連用形
説明自分が実際に見聞きした過去の出来事を表す。特殊な活用(せ・○・き・し・しか・○)を持つ。
例文「昨日、都にてかの人を見き。」(昨日、都であの人を見た。)
イメージ「あのとき自分はこう感じた」という、体験者本人の記憶に基づく過去のイメージ。
暗記のコツ「けり」との違いは「き=自分の体験、けり=伝聞や間接的に知った過去」と対比してセットで覚える。
けり
過去(伝聞の過去)・詠嘆(〜だったのだなあ)
連用形
説明物語の地の文で「昔、〜けり」と始まるような、伝聞・間接的な過去を表す基本語。和歌や会話文中では気づき・感動を表す詠嘆になることが多い。
例文「今は昔、竹取の翁といふ者ありけり。」(今となっては昔のことだが、竹取の翁という者がいた。)
イメージ誰かから聞いた昔話を語り始めるときの「〜けり」。詠嘆の場合は「あ、〜だったんだ!」という気づきのニュアンス。
暗記のコツ地の文なら過去、和歌・会話文中なら詠嘆、と出てくる文の種類で意味を使い分けるという判断基準を覚える。
つ・ぬ
完了(〜た、〜てしまった)・強意(きっと〜)
連用形
説明単独では完了を表すが、下に推量の助動詞(む・べしなど)を伴うと「きっと〜だろう」という強意の意味になる。
例文「風吹きぬべし。」(きっと風が吹くだろう。)
イメージ「つ・ぬ+む/べし」の組み合わせを見たら、「絶対に、きっと」という強い確信のニュアンスが加わっているとイメージする。
暗記のコツ「つ・ぬ+推量」の形を見たら強意、単独なら完了、とセットのパターンで判断する。
たり・り
完了(〜た)・存続(〜ている)
たり→連用形 / り→サ変未然形・四段已然形(通称サ未四已)
説明動作が完了し、その状態がそのまま続いている「存続」の意味と、単純な「完了」の意味を持つ。
例文「庭に花咲きたり。」(庭に花が咲いている。)
イメージ「花が咲きたり」なら「咲いた」だけでなく「咲いている(その状態が続いている)」というイメージも含む。
暗記のコツ「り」の特殊な接続(サ変の未然形・四段の已然形)は「さみしい(サ未四已)」と語呂合わせで覚える受験生が多い。
む・むず
推量(〜だろう)・意志(〜しよう)・勧誘(〜しよう)・仮定・婉曲
未然形
説明主語が誰かによって訳し分けるのが基本。一人称(私)なら意志、二人称(あなた)なら勧誘、三人称(彼・彼女)なら推量になることが多い。
例文「われ、今宵はここにまからむ。」(私は、今夜はここに退出しよう。)
イメージ「私はむ→やってみよう(意志)」「あなたはむ→やりましょうよ(勧誘)」「彼はむ→やるだろう(推量)」と、主語ごとに訳の顔つきが変わるイメージ。
暗記のコツまず主語をチェックし、一人称・二人称・三人称で訳語を切り替える、という手順を覚えておく。
打消推量(〜ないだろう)・打消意志(〜しないつもりだ)
未然形
説明「む」のちょうど反対(打消)バージョンの助動詞。「むず」の打消でもある。
例文「かかる秘め事、人は知らじ。」(このような秘密は、人は知らないだろう。)
イメージ「む」が持つ推量・意志のプラス方向を、そのままマイナス(打消)にひっくり返したイメージ。
暗記のコツ「む」の否定形、と対で覚えれば、新しい意味を1から暗記する必要がない。
まし
反実仮想(もし〜だったら、〜だろうに)
未然形
説明実際には起こっていない事態を仮定して、その結果を推量する。「〜ましかば/せば…まし」という呼応の形で頻出。
例文「もし花咲かましかば、いかに美しからまし。」(もし花が咲いていたら、どんなに美しかっただろうに。)
イメージ「もしお金があったら旅行に行くのに(実際はお金がないので行けない)」という、現実とは逆の仮定のイメージ。
暗記のコツ「ましかば・せば…まし」の呼応の形をセットで覚える。和歌でも頻出の重要語。
らむ
現在推量(今ごろ〜しているだろう)
終止形(ラ変型の語には連体形)
説明目の前で起きていないが、今どこかで起きているであろうことを推量する語。
例文「今ごろ都には花咲くらむ。」(今ごろ都では花が咲いているだろう。)
イメージ「今ごろ故郷ではどうしているだろうか」と、その場にいない相手を思い浮かべながら推し量るイメージ。
暗記のコツ「けむ(過去の推量)」と対にして、「らむ=現在、けむ=過去」と時制で区別して覚える。
けむ
過去推量(〜ただろう)
連用形
説明過去の出来事について、伝聞や推測に基づいて「〜だったのだろう」と推量する語。
例文「その昔、いかなる人の住みけむ。」(その昔、どのような人が住んでいたのだろうか。)
イメージ昔のことを人づてに聞いて「そのとき、さぞ大変だっただろうな」と思いをはせているイメージ。
暗記のコツ「けり(過去)」+「む(推量)」が合体したものと考えれば、「過去のことを推量する」という意味が自然に導ける。
べし
推量・意志・可能・当然・命令・適当(非常に多義)
終止形(ラ変型の語には連体形)
説明古文で最も意味の多い助動詞の1つ。強い確信を伴う推量や、当然すべきだという義務のニュアンスを持つ。文脈判断が不可欠。
例文「この空の様子では、今日は雨降るべし。」(この空模様では、今日は雨が降るだろう。)
イメージ「きっとこうなるはずだ」という強い確信のこもった判断のイメージ。意味の強さ・確信度は「む」よりも高い。
暗記のコツ「すい・い・か・とう・めい・てき(推量・意志・可能・当然・命令・適当)」と頭文字で語呂合わせして6つの意味を覚える受験生が多い。
まじ
打消推量・打消意志・不可能・禁止・打消当然(「べし」の打消版)
終止形(ラ変型の語には連体形)
説明「べし」が持つすべての意味を、そのまま打消(否定)にした助動詞。
例文「この山は神の領域なれば、何人も越ゆまじ。」(この山は神域なので、誰も越えてはならない。)
イメージ「べし」の強い確信を、そのままマイナス方向にひっくり返したイメージ。「〜してはいけない(禁止)」の意味は特に頻出。
暗記のコツ「べし」の反対、とペアで覚えれば、6つの意味を新たに暗記する必要はない。
なり(断定)
〜である、〜にある(断定)
体言・連体形に接続
説明「〜だ」という断定を表す語。同じ「なり」という形を持つ伝聞推定の「なり」とは、接続する語(体言か終止形か)で見分ける。
例文「かの人は都の人なり。」(あの人は都の人である。)
イメージ「これは○○である」と、はっきり言い切っているイメージ。
暗記のコツ体言(名詞)や連体形につけば断定、と接続を最優先の判断材料にする。
なり(伝聞・推定)
〜そうだ(伝聞)、〜ようだ(推定、聴覚が根拠)
終止形に接続(ラ変型の語には連体形)
説明音や噂を根拠にした伝聞・推定を表す語。断定の「なり」と同じ形をしているが、接続する語の活用形が異なる。
例文「山寺の鐘の音すなり。」(山寺の鐘の音が聞こえるようだ。)
イメージ壁の向こうから聞こえてくる物音や話し声をもとに「どうも〜らしい」と判断しているイメージ。
暗記のコツ「終止形につけば伝聞推定、体言・連体形につけば断定」と接続の違いを最優先でチェックする。ラ変型の語には連体形接続になる点も要注意。
めり
推定(〜ようだ、視覚が根拠)・婉曲(〜のようだ、やわらげ)
終止形に接続(ラ変型の語には連体形)
説明目で見た様子を根拠に推定する語。「なり(伝聞推定)」が聴覚的根拠であるのに対し、「めり」は視覚的根拠という違いがある。
例文「花の咲きたるめり。」(花が咲いているようだ。)
イメージ「なり=耳で聞いて」「めり=目で見て」と、判断の根拠となる感覚器官で対比してイメージする。
暗記のコツ「めり」の「め」は「目(め)」に通じる、と語呂で「視覚情報にもとづく推定」と結びつけて覚える。
まほし・たし
希望(〜したい)
まほし→未然形に接続 / たし→連用形に接続
説明自分自身の希望・願望を表す語。「まほし」は主に上代〜中古前期、「たし」は中古後期〜中世でよく使われるという、時代による使用の違いがある。
例文「都に帰りたし。」(都に帰りたい。)
イメージ「〜したいなあ」という素直な願望を表す言葉のイメージ。
暗記のコツ現代語の「〜たい」に直接つながるのが「たし」なので、こちらの方が覚えやすい。「まほし」は「まほしい」という言葉の名残から連想する。

識別の重要ポイント

「なむ」の識別
①未然形+なむ=願望の終助詞(〜てほしい) ②連用形+なむ=強意「ぬ」の未然形+推量「む」(きっと〜だろう) ③ナ変動詞の未然形活用語尾+推量「む」 ④係助詞(強意、係り結びを起こす)
直前の語の活用形で判別
説明「なむ」は共通テストの識別問題で特に頻出。直前に来る語が未然形か連用形かで、全く別の文法的な種類・意味になる。
例文「はや帰りなむ。」(きっとすぐに帰るだろう。)
イメージ同じ「なむ」という3文字でも、直前の語という「手がかり」次第で意味がガラッと変わる、変装した語のイメージ。
暗記のコツ「直前が未然形なら願望、連用形なら強意+推量」とまず2択に絞り、それでも判別できなければナ変動詞・係助詞の可能性を疑う、という優先順位で覚える。
「に」の識別
①格助詞(〜に) ②接続助詞(〜ので、〜のに) ③形容動詞の活用語尾 ④断定の助動詞「なり」の連用形 ⑤完了の助動詞「ぬ」の連用形
直前・直後の語で判別
説明「に」は古文で最も識別問題に出やすい語の1つ。5通りの可能性があり、直前・直後の語の品詞や活用形から絞り込む必要がある。
例文「雨降るに、出でず。」(雨が降るので、外出しない。)
イメージ1つの「に」が5つの顔を持っている、変幻自在な語だとイメージしておく。
暗記のコツ直後に「き・けり・たり」など過去・完了の助動詞が続いていれば、完了の助動詞「ぬ」の連用形である可能性が高い、という形のパターンをまず覚える。
「し」の識別
①過去の助動詞「き」の連体形 ②サ変動詞「す」の連用形 ③強意の副助詞(訳さなくてよい)
文脈・直前の語で判別
説明「き」の連体形としての「し」が最も出現頻度が高いが、それ以外の可能性も残る。過去の内容を表す文脈かどうかがヒントになる。
例文「かかる目を見むとは、つゆ思はざりし。」(こんな目に遭おうとは、少しも思わなかった。)
イメージ過去の出来事を語る文の中に「し」が出てきたら、まず「き」の連体形を疑ってみる、というイメージ。
暗記のコツ直前が動詞の連用形で、文全体が過去の内容を語っていれば、助動詞「き」の連体形の可能性が高いと判断する。
「なり」の見分け方
体言・連体形+なり → 断定 / 終止形(ラ変型は連体形)+なり → 伝聞推定
接続で判別
説明同じ「なり」でも、直前の語の活用形によって断定か伝聞推定かが決まる、最も基本的な識別パターンの1つ。
例文「これは都の人なり。」(断定)/「鐘の音すなり。」(伝聞推定)
イメージ「体言にくっつけば言い切りの断定、終止形にくっつけば人づての推定」と、直前の語の種類で意味が入れ替わるイメージ。
暗記のコツ「体言・連体形は断定、終止形は伝聞推定」と、まず接続だけをチェックする習慣をつければ、他の判断材料は不要なことが多い。
「ぬ」「ね」の識別
未然形+ぬ・ね → 打消の助動詞「ず」の連体形・已然形 / 連用形+ぬ・ね → 完了の助動詞「ぬ」の終止形・命令形
直前の語の活用形で判別
説明「ぬ」「ね」は打消(〜ない)と完了(〜た)という正反対の意味を持つ2つの助動詞の可能性があり、頻出の識別ポイント。
例文「花散らぬ間に見るべし。」(花が散らないうちに見るのがよい。)
イメージ「ぬ」の一文字が、直前の語によって「〜ない」にも「〜た」にもなる、意味が正反対にひっくり返る語のイメージ。
暗記のコツ「直前が未然形なら打消、連用形なら完了」という接続の違いだけで確実に判別できるので、まず直前の活用形を確認する癖をつける。

敬語の読み方

尊敬語のはたらき
動作をする人(主語)への敬意を表す → 敬語があれば、その動作の主語は身分が高い人物だとわかる
「たまふ・のたまふ・おはす」など
説明尊敬語が使われている動作の主語は、書き手・語り手より身分の高い人物である、という古文読解で最も重要な手がかりの1つ。
例文「帝、大臣にのたまふ。」(帝が大臣におっしゃる。)
イメージ本文中に尊敬語を見つけたら、その動作を「している人は誰か」に印をつけて、その人物が高身分だと判断していくイメージ。
暗記のコツ主語が省略されがちな古文では、「尊敬語がついている動作の主語=そのシーンの高身分の人物」という手がかりを頼りに人物関係を読み解く。
謙譲語のはたらき
動作を受ける人(相手・目的語)への敬意を表す → 敬語があれば、動作の相手・受け手が身分の高い人物だとわかる
「まゐる・きこゆ・たてまつる」など
説明謙譲語は、動作をする本人ではなく、その動作が向けられる相手を敬う語。「〜に申し上げる」のように、動作の受け手が高身分だと分かる手がかりになる。
例文「女、御前にまゐる。」(女房が、御前に参上する。)
イメージ自分がへりくだることで、相対的に相手を高く見せている、そんなシーソーのようなイメージ。
暗記のコツ「尊敬語=動作主が偉い、謙譲語=動作の相手が偉い」と、敬意の向く方向が正反対であることをセットで覚えておく。
丁寧語・二方向の敬語
丁寧語:読み手・聞き手への敬意(会話文・手紙文に多い) / 二方向の敬語:1つの動作に尊敬語と謙譲語が同時に使われ、動作主・受け手の両方に敬意を払う
「はべり・さぶらふ」など
説明丁寧語は、動作の当事者ではなく、その場にいる聞き手や読者に対する敬意を表す。また「のたまはす(尊敬)」+「きこゆ(謙譲)」のように2種類の敬語が組み合わさる場合もある。
例文「今宵は月、いとおもしろくはべり。」(今夜は月が、たいそう趣深うございます。)
イメージ丁寧語は「です・ます」のように、話している相手に向けた礼儀正しさのイメージ。二方向の敬語は、主語にも相手にも同時にお辞儀をしているような状態。
暗記のコツ会話文・手紙文中の敬語は、地の文とは違って「聞き手・読み手」への配慮も含まれる、という視点を持って読み分ける。